えこまさんがブログの中で、 「テンセグリティ構造」について触れ、その文中でテンセグリティ構造のオモチャのWebページを紹介していて、 それを見ていたら何となく作ってみたくなったので、割り箸と輪ゴムを使ってさっそく作ってみた。

ジャーン!
う〜む。我ながら美しい(笑)。
制作時間1時間。 久しぶりの日曜大工(工作?)だ。
ちなみに材料はこれだけ。

短くカットして輪ゴムをつけた割り箸6本。
材料の割り箸も輪ゴムも、お店で貰っては使わずに取っておいたものばかりなので、材料費は0円。
う〜ん。エコロジー(笑)。
でもそのかわり、輪ゴムのよれ具合がもらったお店や時期によって微妙に異なるので、どれだけ苦心してもちょっぴりいびつなのは、ご愛嬌。
10cmほどに切った割り箸のはじっこに、輪ゴムが引っかかるような切込みを入れて、それぞれバランスを考えながら、
どんどん引っかけていっただけなのだけれど、それぞれの部分がすべて形を保つように拮抗しているので、ぽんぽん放り投げても全然壊れない。
しかも変形すると、拮抗する輪ゴムの張力が元の形に戻そうとするので、床でバウンドして、まるでボールみたいで面白い。
冗長な自由度(可動部位)をもつこのオモチャは、ある場所のゴムが収縮すると、その部位の割り箸が動き、 それと連動してさらに全体が動いてバランスをとる。
でもだからこそ、きれいな形を作り出すのが難しい。
何しろ「ここのゴムが少し短いな」と思って伸ばしてみると、また思わぬところのバランスが変わって、「わぁ、今度はこっちがズレた」 ということの繰り返しである。
冗長な自由度を持つ構造は、一つのきっかけが思わぬ変化を生み出すもの。
このテンセグリティ構造というものが何なのかということについては、えこまさんがブログで熱く語っていらっしゃる上に、いろんなWebを紹介してくださっているので、
詳しくはそちらの方をご参考いただくことにして、このオモチャを手にとってじっくり見ていると、じつに人体の構造に似ていることに気づく。
ごく単純なアナロジーで、硬い割り箸の部分が骨で、輪ゴムの部分が筋(肉)だと見てみると、まさに人体の構造で、 引っ張る方向にのみ働く輪ゴムの張力は、収縮方向にのみ働く筋にふさわしい。
もちろん人体の筋は常にテンションがかかっているわけではないので、そのまま応用するわけにはいかないが、 似たような原理が働いていたとしても、全然おかしくはない。
ゴムが収縮して、割り箸が動き、それに付随して他の部分も連動してバランスを取る。
まさにからだの骨と筋が奏でる協応構造にそっくりである。
この構造において重要な部分とは、
張力でリンクする頂点の関係にあるけれども(1つの頂点が4つの張力と1つの斥力で他の頂点とリンクしている)、
それがまたネットワークの構造にも似ていて、私の興味をくすぐる。
重要なのはモノよりもむしろ、「つながり」であり、「働き」であるということ。
このフレキシビリティは、きっと生命が宿っている。
ところで、この構造を提唱したバックミンスター・フラー氏という人物をWikiで調べていたら、「炭素60(C60)」
で表わされるサッカーボール型の炭素原子クラスター「フラーレン」が、フラー氏の名前を取ってつけられた、
という事実を初めて知った。
へぇ〜、そうだったんだ。
まさかフラーレンという名前は、フラー氏へのオマージュだったとは。
このフラーレンという物質(右図)、その形のみならず、たいへん面白い性質をもっている。
このフラーレンを使って「二重スリット実験(⇒Wiki)」 を行うと、「冷たいときには干渉模様が現れ、熱いときには干渉模様が現れない」という奇妙な現象が起こるのだ。
量子力学に馴染みのない方には、何の話だかさっぱり分からないかもしれないが、つまり、このフラーレンという物質、 熱いときには古典力学に従ういわゆる普通の物質なのだけれど、温度を冷やしていくと、あるとき突如として量子的振る舞いをしはじめ、 量子力学の支配する量子の世界の存在へと変貌するという、境界上のあわいな処に身を置くモノなのである。
熱いときにはこの手でしっかりつかめるのだけれど、ひとたび冷やすと突然その姿がぼやけ出し、 幽霊のような実態のないモノになってしまう、と表現すればイメージしやすいだろうか。
量子の世界と私たちの世界がまったく断絶しているのではなく、ゆるやかにつながっていることを示す興味深い現象であるが、でも、 まさかこんなところで、量子論とつながりがあるとは思いもしなかった。面白いなぁ。
今、「モノの助けを借りて伝える」
ということが、自分の中のテーマとしてあるのだけれど、その候補としてこのテンセグリティ構造のオモチャはいいかもしれない。
ただ、あまりに美しく幾何学的に過ぎるので、もう少し、見る人が自分のからだとのつながりをイメージしやすくなるように、 なんらかの助けが必要かもしれないなぁ。
モノに助けてもらっておいて、モノに助けが必要だというのは、本末転倒なような気もしないでもないけれど。
…まぁいいか。


あ、それと少し欲を言うとテンセグリティは張力を持つ糸と軸棒の接触点が一切ないのです。結構、ここもミソみたいです。
えこまさんの知的興奮にあてられて、私もなんだか興奮して、気が付いたら割り箸をガリガリと削っていました(笑)。
私も最初は「たしかに一人じゃ難しそうだな…」と思ったのですが、紹介している他のページを見ていたら、何となく自分でも作れそうな気がしてきたので、とりあえず挑戦してみたら、あっさりできてしまいました。
多分、輪ゴムというのがミソなんだと思います。
円環なので、ずれていても調整が後からいくらでも楽にできますし。
子どもはこういう工作はけっこう好きかも知れませんね。
輪ゴムと割り箸で作るミニチュア版は、とてもお手軽なのでオススメですよ。
最初は輪ゴムが切り込みから外れないように、テープなどで補強しつつ組み合わせていくと楽チンです。
あるていど形ができてくれば、もうテープの助けも要りませんので、あとはパッパッパッと…。
ぜひぜひお子さんと一緒に作ってみてください。
大好きな黄金比率について見かけたのがありましたので一言
正二十面体の特徴
1.頂点が12
どの頂点も中心から等距離で
頂点を結ぶと正三角形が二十個
2.内接の立体模型は
用いられた三つの長方形の縦と横の割合が
必ず黄金分割比になる
(フィボナッチ数列)
と簡単に
初めて知りました。ホントにいろんなところでつながりが。
割り箸と輪ゴムで作った上のテンセグリティは正二十面体ですからね。
そして「用いられた三つの長方形」というのは、上の模型で言えば平行する割り箸に囲まれた部分のことですね。
う〜む。生命の数列であるフィボナッチ数列が、なにゆえにこのようなところに隠されているのでしょうか?
いたる箇所に見られる形態と生命のただならぬ関係にドキドキです(笑)。
ちなみに正二十面体の12の頂点をそれぞれ切り落とすと、正五角形の断面が現れるのですが、その全体の形はちょうどサッカーボールのように、つまりフラーレン構造になります。
フラーレン構造というのは、正十二面体と正二十面体という二つのプラトン立体が融合、拮抗した状態とも言えなくもないですが、こういう「形の神秘」というものは、からだという「物」を追求する者として、最高にインスパイアされます。
あれ?ピ、ピラミッド?
じゃなくって、三角錘…になってしまってしまいました。フローレンに掠りもしない。でもこれはこれで子どもは大喜び。早速こびとの家になっていました。
日暮れて 道遠し
これまた進化(?)してしまいましたね…。
それもまたおかし。
えこまさんのページにあるいろんなサイトを見て、どういう構造になっているのか、じっくり観察してみると、何となく作り方が分かってくるかもしれませんよ。
とか言って次はパルテノンになってしまったりして…(笑)。
フラーレンの話は知りませんでした。いろんな分野がつながるものですね。
。。。私も作ってみようかな(笑)
ホントに見事なもんだと感心しました。
人前で「テンセグリティ構造というのは丈夫なんです」と言いながら、
輪ゴムを一つ外してみたらバーンと大爆発してしまったときには
参ってしまいましたが、でも座は大爆笑だったのでそれはそれで…(笑)
でもホントに簡単に作れますから
工作にもおススメです!
たしかに常にテンションがかかっている分、怖い面もありますよね。
まだまだ考えるべき課題もいろいろあるのでしょうか。
でもぜひ本格的なテンセグリティ構造建築を見てみたいですね。