今週末は学生たちがやってくるので、何かおもてなしの用意をせねばならない。
何を作ろうかといろいろ考えたが、今週は忙しいのでとにかくじっくり時間をかけて煮込みさえすれば美味しくできる「豚の角煮」に決定。
新入生を引き連れて8人くらいぞろぞろやってくるという話なので、食べ盛りの若者たちのために国産の豚バラブロックを1,5kg用意。
あとは、玄米ご飯と、愛しのヌカ漬け、ピータン豆腐、オマケの箸休めに赤だしの味噌汁。
まぁ、そんなもんで十分だろう。みんな一品ずつ持ってくるって言うし。(多いかな…?)
梅シロップは今からじゃ間に合わないから、残念ながら今回は見送り。
(収穫したばかりの梅を、私のヌカドコと物々交換で手に入れたのである。)
そのかわり、貰い物の絶品梅酒を振舞うことにしよう。
この絶品梅酒、ホワイトリカーを使わずに、梅と氷砂糖だけで自ら発酵してお酒となった天然梅酒で、5年物だそうである。
その譲ってくれた方は、もともと梅シロップを作るつもりで漬けたそうなのだが、放っておいたら勝手に発酵しはじめてしまい、 意図せず梅酒となってしまったそうで、そのまま手をつけられずに5年(笑)。
いよいよ処分しようとしていたところを、「もったいない」と母が譲り受けてきたのだけれど、利いてみたら、これまた美味。 小瓶に移し変えて分けてもらったのである。
ちょっと飲んじゃったけど、これも振舞おう。
さてさて、じゃあ角煮でも作ろうか。
今回の角煮は、なんとなく和風に煮干しでダシを引いてみようと思い立ち、さっそく煮干しを買ってきて、一つ一つ頭をむしっては、 はらわたをざりざりと削ぎ落とし、鍋に放り込んでゆく。
むしむし…。 ざりざり…。
…ハッ?! 忙しいから角煮にしたはずなのに、気づけば面倒なことをまたやってしまっている。
まぁいいか。可愛い後輩たちのためだ。
辰巳先生は、これをさらにミキサーで粉末状にして使っていらっしゃったが、ミキサーがないのでスタンダードにそのままダシをとる。
水に30分ばかり漬けた後、火にかけ沸騰してから中火で5分。
かぐわしい香りが部屋中に広がる。
次は肉の仕込み。
立川の刃物屋「きくや」でさんざん悩んで手に入れた愛刀「きくや丸」をスラリと取り出し、 まずはその美しく浮かび上がる刃紋を光にかざしてじっと見つめて心を集中。
「うむ。」という気合とともに、目の前にデンと構える1,5kgの肉のかたまりをスパスパと斬り刻む。
スパスパッ!
肉のかたまりを次々と5cm四方のブロック状にしてゆき、最後に清めの塩コショウを振って供養。南無。
さらにその肉をフライパンで火にかけ、軽く焦げ目を付けたあと、出汁の入った鍋にポイポイと投げ入れ、そこに日本酒を加え、 シンプルに青ねぎと生姜だけ加えて、コトコト煮込む。
コトコト。
あとは明日、若喜商店の手作り醤油と石坂商店のもとだれで味付けをして、 さらに煮込んで完成だ。
よし。
一仕事終えた私は、コトコトと音を立てる鍋の前に椅子を持ってきて、浮かんでくる脂を丁寧にすくいながら、あとのすることを考える。
え〜と、あとはヌカ漬け用の野菜を買ってきて…。豆腐も買わなきゃ…。お酢も切れてたな…。そうだ、 箸休めの味噌汁のダシも改めて引かなきゃな…。赤出汁は煮干しダシに限る…。具はシンプルに豆腐とネギ…うむ。 でもやっぱりピータン豆腐はラー油があったほうがいいかなぁ…。ビール足りないよなぁ…当日でもいいか。あ、掃除もしなきゃ…。 ミュージックもチョイスしておいて…。 ……。 ……。
どこまでも空想は広がり、もてなしの愉悦に感じ入る。 これぞ典座の醍醐味。
フフフ…。
来やがれ…。


急にお腹が減ってきました・・
そうですよね。そちらではなかなか豚は食べられませんよねぇ。
ふふふ。角煮、美味しいですよ〜。
お好みによって白髪ネギとごま油をかけていただいてもいいし、刻んだしょうがを乗せてさっぱりいただくのもまた良し。
そして一口食べた後、口の中を流すように冷えたビールをグビグビッと。
角煮とピータン豆腐、
どちらも大好物であります。
いいなー!
時間がかかる料理をするのはまた独特の楽しみ&幸せでありますね。
煮物は一晩置くと味がよくなっているところがまたうれしいものだと思っております。
朝まで飲んで寝不足で寝ボケ頭でございます(笑)。
角煮とピータン豆腐はたいへん好評でした。
時間のかかる料理というのは、なぜかとっても好きなんですよねぇ。
寝かせたものの味というのは発酵食品もそうですけど、たとえようのない美味しさを放ち始めるような気がします。