2012年03月21日

3・11の整体シンポジウム

震災からちょうど一年の3月11日に、清澄庭園で「今こそ野口晴哉が必要だ」と題した整体シンポジウムを行なった。

独立して活動されていらっしゃる野口整体系の指導者の先生方が、私も含めて6名も集まるというなかなか他では見られないイベントであったが、こんな大それた企画を立ち上げるのは、当然のことながら私の師匠である河野先生以外にはいない。

どんな御人であろうとつなげていってしまうのが、河野先生の天賦の才であり、技であるが、私はその技の真髄を、前回の身体サミットのご参加を躊躇っていた東城百合子先生を口説き落とすために、薩摩琵琶を担いでいって目の前で「祇園精舎」の生謡(?)をしてみせた河野先生の姿に見たのである。

成城学園前の「あなたと健康社」の応接室のソファーに深々と座りながら、「私は出ないわよ」とおっしゃっていた東城百合子先生が、「これもお天道様のお導きかしらね」と言いながらこちらのオファーにご承諾くださったのは、ひとえに河野先生のねばり技(と謡い)による。もちろん、私もささやかながら側方支援をさせていただいたが…(ここぞというところで横からもお願い(攻める)する係)。


今回の整体シンポジウムに集まったのは、熱海で活動されている金井省蒼先生と、今は本拠地を小樽の方に移された三枝龍生先生、そして横浜で活動されている長谷川淨潤先生と、自由が丘で活動されている浜田貫太郎先生、それに河野先生と私である。

なかなか濃ゆいメンバー(笑)であるゆえ、いったいどんな会になってゆくのか興味半分ドキドキ半分であったが、なかなか良い感じで進んでいって、来てくださった方々からも「とても面白い会でした」と喜んでいただけたので、ちょっとホッとしている。


非常に貴重な会なので、どのような形で参加者を集めるか悩んで、スタッフ同士でもいろいろ話し合ったが、最終的にはあまり宣伝しない形で100名ほどだけ集まっていただいた。

なので、「ええ〜! そんな人達が集まるなら参加したかった〜!」という方には申し訳なかったが、今回のシンポジウムの様子は映像化して、何がしかの形で皆さんの手に届くような方向で動いているので、そちらをご覧になっていただければと思う。

ちなみに今回の会は、先生方すべてノーギャラである。

「収益はすべて被災地に回す!」というかなり強引な捨身技的提案に、たじろぐことなくご快諾いただいた先生方には頭が上がらない。多謝多謝。


昨年2011年は東日本大震災の年ということで忘れられない年となってしまったが、じつは野口晴哉生誕百年という節目でもあった。

奇しくも、野口晴哉という人の活動の一番初めは、かの関東大震災である。

野口先生の奥様、野口昭子先生の『朴葉の下駄』(ちくま文庫から「回想の野口晴哉」の名で出版されている)を読むと、そのあたりのことが書かれているが、震災後、近所の煮豆屋のおばさんが下痢で苦しんでいたので、手を当てて愉気してみたらそれで治ってしまって、それから多くの人に頼まれて手を当てるようになったと言う。このとき若干12歳。

関東大震災で困っている人たちに手を当ててゆくところから始まった野口晴哉が、もしこの東日本の大震災の今生きていたら、いったい何をしていっただろうか。

やはり被災地へ飛んで手を当てていただろうか、あるいはドンと構えて絶対的な安心感を放っていただろうか。

それは分からない。だが分からないからこそ、何をすべきか私たち自身が問われている。


全体のシンポジウム前の対談では、私は長谷川淨潤先生と対談させていただいた。

淨潤先生はいろんなことを勉強されていらっしゃるので、こちらも聞いてみたいことが山ほどあって、ほとんど私は質問に終始してしまった気もするが、いったい対談自体はどうだったんだろう?

こういうのは端から見てどんな感じで進んでいるのか、なかなか本人は分からないものである。

整体との出会いの話、東先生のシステムズアプローチの話、エリクソン催眠の話、死の四日前に現れる禁点の硬結の話、福岡先生の動的平衡の話、野口先生の遺稿にある「虚の活かし方」の話…。

対談に出てきたトピックを思い出すだけ上げてみるとそんなところだけれど、私自身が淨潤先生の口から出てくるいろいろな話をワクワクしながら聞き入っていたので、なんだかあっという間に終わってしまった感がある。

いろいろ突っ込んで聞いてみたいことがもっともっと山ほどあったのだけれど、それは今回の対談では叶わなかった。

う〜む、やはりもっと時間が欲しかったな…。


でも今回、対談前から淨潤先生とはまるでメル友のようにメールをやり取りさせていただいていたのだが、その中で「ぜひまたお会いしましょう」という話になっていて、それでつい先日、私の家族も一緒に淨潤先生のお宅(!)にお邪魔させていただいたのである。

まさか今回のことをきっかけに、淨潤先生とこんな家族ぐるみのお付き合いをさせていただくとは夢にも思わなかったが(なんと手料理までいただいてしまった。美味でございました)、おかげで思いっきり個人的な質問をエビスビールをカパカパ飲みながらズバズバとさせていただいて、私の知的好奇心を大分満たさせてもらった。

う〜む。なるほど。そうであったか…。

淨潤先生もホントにいろんなことを実践(実験?)されていらっしゃる。

けれども当然ながら、そういう席でのお話はあまりこういうところに書き散らす訳にはいかないので、皆様にはそのご報告だけで悔しがっていただくしか無いのである。

posted by RYO at 17:25| Comment(6) | TrackBack(0) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする